殺し屋・ユウトのゆるっと日常


「実家、帰ってきなさい」
突然の母からのLINE。理由は聞かなくてもわかる。

※前回「マッチングアプリで即ブロック→失恋→闇鍋始める」までがSNSに晒された模様

 

というわけで、3年ぶりに帰郷。
都会の喧騒を離れ、山奥の集落に住むユウト家――

母:激強(元・柔道部)
父:寡黙(趣味・釣りと狙撃)
妹:高校生(メンタル最強)

 

「ユウト〜!おかえり〜!」
「ただいま……」
(テンションの差えぐい)

 

リビングに入るなり、妹が開口一番。

「兄貴、また変な仕事してんでしょ」
「いや、普通のフリーランスだけど」
「へー、“夜道で音もなく消える人”が“普通の”なんだ」
「どこ情報!?ネットやめろ!!」

【夜】
母の作った山盛り唐揚げ(※バカうまい)を食べながら、父がポツリ。

「ユウト、彼女はできたのか?」
「(なんで今それ言う!?)」
「できてたらマッチングアプリで“即ブロック”されてないよね〜」
「うるさい妹よ……!」

 

唐揚げ1個が喉に詰まり、母が背中を叩く。

バン!バン!バンッ!

「う゛っ!おえっ!死ぬかと思った…」
「そのくらいで死ぬ殺し屋とかおる?」
「おらん(キレ気味)」

【翌朝】
実家の裏山でランニングするユウト。
ふと、昔のことを思い出す。



…子どもの頃、「正義の味方」になりたかった。

だけど今は、“誰かの依頼で悪を処理する”裏稼業。
正義なんて、言えたもんじゃない。

 

(でもまぁ……唐揚げはうまかったな)
(それでいいか、今日は)