あの夏、金木犀が揺れた

家に帰り、机で押し花とスケッチを取り出した。

金木犀の花びらと、木の絵。

琥太朗との出会いが、私の心に刻んだもの。

小四の夏、木の下で笑った彼。

小六の夏、押し花をくれた彼。

そして今、傷だらけなのに、私を「コハク」と呼ぶ彼。

「琥太朗、君は変わってない」

私はスケッチに新たな線を引いた。

金木犀の木と、笑う二人の姿。