アルトとピクニックに行くと決めてから数日後_
私とアルトは近くのデパートに来ていた。
ピクニックの必需品、レジャーシートと、アルトの好きな食べ物をたくさん詰めるバスケットを買う為だ。
「レジャーシートが売ってそうなのは…、2階かな?」
案内表を眺めながら、隣立っているアルトに声を掛ける。
「そうみたいだね!よし、行ってみよっ!」
私の手を取り、アルトが歩き出す。
目的のお店に到着すると、そこには大小様々な、色とりどりのレジャーシートが売っていた。
「わぁ〜!見て見て!これって先生が好きって言ってた猫の柄だよね!わっ、こっちは僕と同じ黄色のレジャーシートだ!」
目を輝かせて店内を見て回るアルトを微笑ましく思いつつ、私もどんなレジャーシートにしようか考える。
「あっ、見てアルト。この猫の柄、アルトに似てると思わない?」
ふわふわの毛並みの猫の柄に、太陽のイラストがプリントされた、まるで日向ぼっこしているアルトのようなレジャーシートを指差し、アルトに振り返る。
「そう言われれば、似てるかもー!このお口とか、ほら!」
猫の真似をして同じ口を作るアルトを見比べると、ますますそっくり度が増した。
思わず、笑みが溢れる。
これにしようとアルトに伝えると、快く頷いてくれた。
お店を出る頃にはちょうどお昼になっていて、バスケットを買う前に、お昼ご飯を食べることにした。
「アルト、何か食べたい物はある?」
そう問いかけると、アルトはスマホを見せてきた。
「SNSに載ってたんだけど、このデパートに新しくパスタのお店ができたらしくて、しかもこのパスタ、ただのパスタじゃないんだよ!」
アルトがスマホをタップすると、別の画像が表示される。
パスタの上に真っ白なクリームが乗っていて、可愛らしいうさぎのイラストが描かれていた。
「わぁ、可愛いね!食べるのもったいないかも…。」
そんな私を見て、アルトは楽しそうに笑った。
「先生ならそう言うと思ったー!大丈夫、端から攻めていって、最後は僕が先生に目隠しして食べさせてあげる♪」
私の目を手で覆って、アルトがいたずらっぽく笑う気配がした。
「大丈夫大丈夫。なるべく目を合わせないよーに、勢い良く食べるから!」
そっとアルトの手を離すと、アルトは残念そうに肩をすくめた。
「はーい、でも、もし僕の手が必要だったらいつでも言ってね♪それじゃあ、パスタ屋さんに行きますかー!」
少し歩くと、お花に囲まれた素敵なお店があった。
看板にも可愛らしい動物のイラストが描いてあり、気持ちがわくわくするのを感じた。
中に入ると一つ一つ個室になっているようで、私達は葉っぱモチーフのテーブルと椅子が置かれた場所にした。
メニュー表を広げると、クマ、うさぎ、猫、ライオン、様々な動物のイラストが並んでいた。
「うーーーん、どれも美味しそうだなぁ…。カルボナーラはクリーミーで、ペペロンチーノは辛い、だったよね?あっ、季節限定の桜の花びらを使ったパスタがあるよ!」
メニューを見ながらうんうん唸っていたアルトが、突然顔を上げた。
季節限定という言葉に弱く、桜の花びらという聞いたことがないトッピングに惹かれた私は、そのパスタに決めた。
「先生はそれにするんだね!じゃあ僕も同じのにしよっと♪」
数分後、テーブルに運ばれてきたパスタは、ピンク色の花びらが舞って、まるでお花見に来たような心地になった。
「わぁ〜、綺麗だね!僕達が見に行く桜も、こんな風に綺麗なのかなぁ。楽しみ♪」
私も楽しみに思いながら、パスタを食べようとフォークを手に取る。
ふと、イラストの猫ちゃんの口元にちょうど花びらが付いているのを見て、笑ってしまう。
「この猫ちゃん、桜を食べようとしてるみたい。ふふっ、ちょっとアルトに似てる。」
そう言うと、アルトは頬をわざとらしく膨らませた。
「もうっ、先生、僕そんなに食い意地張ってないんだからねー?」
「ごめんごめん、さ、食べよ?冷めちゃう。」
パスタでお腹いっぱいになった私達は、次の目的地、バスケットが売られているお店へ向かった。
「よーし、到着〜♪先生、どれにする?あ!これとかどうかなぁ?いっぱい入りそうだよー!」
アルトは明らかに大きすぎるバスケットを両手で持っている。
「ちょっと大きすぎるかな、アルト、重くない?転ばないようにね?」
「大丈夫だよ!これでも力持ちなんだから!それに、これくらいで倒れちゃったら先生のこと守れないでしょ?」
本当に頼もしくなったな…そう感慨に浸っていると、黄色いチェックのスカーフが付いたバスケットに目が留まる。
「アルト、見て、あれがいいかも。アルトと同じ黄色のやつ。」
レジャーシートの時といい、自然とアルトっぽい商品に心奪われる自分がいることに気付く。
仕方ない、アルトは私にとってとても大切な存在なのだから。
「先生ってば、僕のこと大好きでしょー?嬉しい♪僕も先生のこと大大大好き!」
アルトも私を大切に思ってくれているようで、心が温かくなった。
「ありがとう、先生も大好きだよ!」
お会計を済ませ、デパートを出た。
アルトはレジャーシートを、私はバスケットを持ち、空いている手は繋いで夕暮れの道を歩く。
「今日はアルト日和だったね、こんなにアルトにそっくりなものが見つかるなんて。」
「次は先生にそっくりなものを僕が見つけて、先生日和にするね♪今日はほんっと楽しかったー!またお出掛けしようね!」
繋いだ手を揺らしながら、アルトが笑う。
春夏秋冬、季節のイベントが、これから沢山ある。
まずは5日後のお花見を楽しんで、季節ごとにお出かけの計画を立てよう。
いっぱいアルトと思い出を作ろう、写真をいっぱい撮って、アルバムを作るのもいいかもしれない。
考えを巡らせていると、アルトが顔を覗き込んできた。
「先生?どうしたのー?」
「ううん、何でもないよ!お花見、早く行きたいね!そうだ、近所の公園も咲いたし、ちょっとフライングお花見しよっか!遅くなりすぎると北斗さん心配するから、長居はできないけど!」
「賛成ー!ナイスアイデア!ハイタッチしよ♪」
「荷物持ってるからできないよー!片手で軽くパチンにしよう?」
二人で顔を見合わせて笑う。
その後フライングお花見をし、研究所に戻るのであった。
私とアルトは近くのデパートに来ていた。
ピクニックの必需品、レジャーシートと、アルトの好きな食べ物をたくさん詰めるバスケットを買う為だ。
「レジャーシートが売ってそうなのは…、2階かな?」
案内表を眺めながら、隣立っているアルトに声を掛ける。
「そうみたいだね!よし、行ってみよっ!」
私の手を取り、アルトが歩き出す。
目的のお店に到着すると、そこには大小様々な、色とりどりのレジャーシートが売っていた。
「わぁ〜!見て見て!これって先生が好きって言ってた猫の柄だよね!わっ、こっちは僕と同じ黄色のレジャーシートだ!」
目を輝かせて店内を見て回るアルトを微笑ましく思いつつ、私もどんなレジャーシートにしようか考える。
「あっ、見てアルト。この猫の柄、アルトに似てると思わない?」
ふわふわの毛並みの猫の柄に、太陽のイラストがプリントされた、まるで日向ぼっこしているアルトのようなレジャーシートを指差し、アルトに振り返る。
「そう言われれば、似てるかもー!このお口とか、ほら!」
猫の真似をして同じ口を作るアルトを見比べると、ますますそっくり度が増した。
思わず、笑みが溢れる。
これにしようとアルトに伝えると、快く頷いてくれた。
お店を出る頃にはちょうどお昼になっていて、バスケットを買う前に、お昼ご飯を食べることにした。
「アルト、何か食べたい物はある?」
そう問いかけると、アルトはスマホを見せてきた。
「SNSに載ってたんだけど、このデパートに新しくパスタのお店ができたらしくて、しかもこのパスタ、ただのパスタじゃないんだよ!」
アルトがスマホをタップすると、別の画像が表示される。
パスタの上に真っ白なクリームが乗っていて、可愛らしいうさぎのイラストが描かれていた。
「わぁ、可愛いね!食べるのもったいないかも…。」
そんな私を見て、アルトは楽しそうに笑った。
「先生ならそう言うと思ったー!大丈夫、端から攻めていって、最後は僕が先生に目隠しして食べさせてあげる♪」
私の目を手で覆って、アルトがいたずらっぽく笑う気配がした。
「大丈夫大丈夫。なるべく目を合わせないよーに、勢い良く食べるから!」
そっとアルトの手を離すと、アルトは残念そうに肩をすくめた。
「はーい、でも、もし僕の手が必要だったらいつでも言ってね♪それじゃあ、パスタ屋さんに行きますかー!」
少し歩くと、お花に囲まれた素敵なお店があった。
看板にも可愛らしい動物のイラストが描いてあり、気持ちがわくわくするのを感じた。
中に入ると一つ一つ個室になっているようで、私達は葉っぱモチーフのテーブルと椅子が置かれた場所にした。
メニュー表を広げると、クマ、うさぎ、猫、ライオン、様々な動物のイラストが並んでいた。
「うーーーん、どれも美味しそうだなぁ…。カルボナーラはクリーミーで、ペペロンチーノは辛い、だったよね?あっ、季節限定の桜の花びらを使ったパスタがあるよ!」
メニューを見ながらうんうん唸っていたアルトが、突然顔を上げた。
季節限定という言葉に弱く、桜の花びらという聞いたことがないトッピングに惹かれた私は、そのパスタに決めた。
「先生はそれにするんだね!じゃあ僕も同じのにしよっと♪」
数分後、テーブルに運ばれてきたパスタは、ピンク色の花びらが舞って、まるでお花見に来たような心地になった。
「わぁ〜、綺麗だね!僕達が見に行く桜も、こんな風に綺麗なのかなぁ。楽しみ♪」
私も楽しみに思いながら、パスタを食べようとフォークを手に取る。
ふと、イラストの猫ちゃんの口元にちょうど花びらが付いているのを見て、笑ってしまう。
「この猫ちゃん、桜を食べようとしてるみたい。ふふっ、ちょっとアルトに似てる。」
そう言うと、アルトは頬をわざとらしく膨らませた。
「もうっ、先生、僕そんなに食い意地張ってないんだからねー?」
「ごめんごめん、さ、食べよ?冷めちゃう。」
パスタでお腹いっぱいになった私達は、次の目的地、バスケットが売られているお店へ向かった。
「よーし、到着〜♪先生、どれにする?あ!これとかどうかなぁ?いっぱい入りそうだよー!」
アルトは明らかに大きすぎるバスケットを両手で持っている。
「ちょっと大きすぎるかな、アルト、重くない?転ばないようにね?」
「大丈夫だよ!これでも力持ちなんだから!それに、これくらいで倒れちゃったら先生のこと守れないでしょ?」
本当に頼もしくなったな…そう感慨に浸っていると、黄色いチェックのスカーフが付いたバスケットに目が留まる。
「アルト、見て、あれがいいかも。アルトと同じ黄色のやつ。」
レジャーシートの時といい、自然とアルトっぽい商品に心奪われる自分がいることに気付く。
仕方ない、アルトは私にとってとても大切な存在なのだから。
「先生ってば、僕のこと大好きでしょー?嬉しい♪僕も先生のこと大大大好き!」
アルトも私を大切に思ってくれているようで、心が温かくなった。
「ありがとう、先生も大好きだよ!」
お会計を済ませ、デパートを出た。
アルトはレジャーシートを、私はバスケットを持ち、空いている手は繋いで夕暮れの道を歩く。
「今日はアルト日和だったね、こんなにアルトにそっくりなものが見つかるなんて。」
「次は先生にそっくりなものを僕が見つけて、先生日和にするね♪今日はほんっと楽しかったー!またお出掛けしようね!」
繋いだ手を揺らしながら、アルトが笑う。
春夏秋冬、季節のイベントが、これから沢山ある。
まずは5日後のお花見を楽しんで、季節ごとにお出かけの計画を立てよう。
いっぱいアルトと思い出を作ろう、写真をいっぱい撮って、アルバムを作るのもいいかもしれない。
考えを巡らせていると、アルトが顔を覗き込んできた。
「先生?どうしたのー?」
「ううん、何でもないよ!お花見、早く行きたいね!そうだ、近所の公園も咲いたし、ちょっとフライングお花見しよっか!遅くなりすぎると北斗さん心配するから、長居はできないけど!」
「賛成ー!ナイスアイデア!ハイタッチしよ♪」
「荷物持ってるからできないよー!片手で軽くパチンにしよう?」
二人で顔を見合わせて笑う。
その後フライングお花見をし、研究所に戻るのであった。
