夜が明けた。
日の出とともに横になっていたベッドから身体を起こし、出発のための支度を始めた。
ほぼ眠れなかった。
ベッドに横になり、カイルアからの昨日の別れまでを何度も思い出し、唇の感覚が辛いほど暖かく残る。
涙は乾くことなく美紗子の瞳を湿らせ続け、重く腫れ上がらせている。
重たい心と体を無理矢理動かして、荷造りを始めた。
いちいち涙が出てきてしまうことが鬱陶しいのに止まらない。
パッキングが終わり、部屋の乱れを軽く整えてチップを置いた。準備は整った。
ベランダに立ち、朝早い澄んだ空気を吸い込むと、ほんのりと潮の香りがした。
大きく背伸びをし、リゾートホテルが連なる海岸沿い、黄金色の余韻を少し残した海と空、揺れるヤシの木々達をひと通り目に焼き付ける。
不安しかなかった時間旅行が素敵な奇跡を起こした。
莉子や和也の後押しがなければ叶わなかった時間だ。
再び人を愛したと自分に胸を張って言える、だけどあまりに短く、それでも幸せな時間だった。
戻ったら、何事もなかったように日常が始まる。
思い出たちが、これからの美紗子の原動力になる。
真っ赤になった重たい目を冷やすため、冷水で冷やしたタオルを片手に、部屋の最終チェックをする。
ベッドのサイドテーブルに置いていた、チェックアウトで返却予定のルームキーと携帯電話を手に取る。
朝の早いロビーは、朝食をとるレストランへ向かう客でちらほらにぎわいだす。
エレベーターを降り、ロビーフロアのフロントへ向かう途中、手に持っていた携帯電話がピリリリ…と着信を知らせ赤ランプが着いて静まった。
美紗子は直接フロントへ向かい、スタッフにチェックアウトの手続をお願いした。
ルームキーを返却し、さっきの着信音の携帯電話をチェックする。
翔太にメッセージを送った後、いたずらなのかよくわからないメッセージが何度か入っていたことがあった。
翔太からかと思い、期待して頑張って英文を訳したのにがっかりしたことがあった。
また同じように迷惑系の何かだろうと思い、早く返却するため、エンターキーを押してチラッと液晶画面を覗いた。
「Until we meet someday. I love you,Misako」
美紗子は心臓を鷲掴みされたような胸の苦しさで顔が歪んだ。
まさかと一瞬の期待を抱き、振り返った。
ロビーフロアをあちこちを見渡したが、翔太の姿はどこにも見つからなかった。
美紗子の様子にホテルスタッフがカタコトの日本語で「大丈夫?」と心配そうに声をかける。
「Sorry, it's okay」
美紗子は滲む涙を拭い、深く息を吸って吐いた。
「Me too」
返信をして画面をOFFにし、返さなければならない悔しさと闘いながら美紗子は携帯電話を返却した。
日の出とともに横になっていたベッドから身体を起こし、出発のための支度を始めた。
ほぼ眠れなかった。
ベッドに横になり、カイルアからの昨日の別れまでを何度も思い出し、唇の感覚が辛いほど暖かく残る。
涙は乾くことなく美紗子の瞳を湿らせ続け、重く腫れ上がらせている。
重たい心と体を無理矢理動かして、荷造りを始めた。
いちいち涙が出てきてしまうことが鬱陶しいのに止まらない。
パッキングが終わり、部屋の乱れを軽く整えてチップを置いた。準備は整った。
ベランダに立ち、朝早い澄んだ空気を吸い込むと、ほんのりと潮の香りがした。
大きく背伸びをし、リゾートホテルが連なる海岸沿い、黄金色の余韻を少し残した海と空、揺れるヤシの木々達をひと通り目に焼き付ける。
不安しかなかった時間旅行が素敵な奇跡を起こした。
莉子や和也の後押しがなければ叶わなかった時間だ。
再び人を愛したと自分に胸を張って言える、だけどあまりに短く、それでも幸せな時間だった。
戻ったら、何事もなかったように日常が始まる。
思い出たちが、これからの美紗子の原動力になる。
真っ赤になった重たい目を冷やすため、冷水で冷やしたタオルを片手に、部屋の最終チェックをする。
ベッドのサイドテーブルに置いていた、チェックアウトで返却予定のルームキーと携帯電話を手に取る。
朝の早いロビーは、朝食をとるレストランへ向かう客でちらほらにぎわいだす。
エレベーターを降り、ロビーフロアのフロントへ向かう途中、手に持っていた携帯電話がピリリリ…と着信を知らせ赤ランプが着いて静まった。
美紗子は直接フロントへ向かい、スタッフにチェックアウトの手続をお願いした。
ルームキーを返却し、さっきの着信音の携帯電話をチェックする。
翔太にメッセージを送った後、いたずらなのかよくわからないメッセージが何度か入っていたことがあった。
翔太からかと思い、期待して頑張って英文を訳したのにがっかりしたことがあった。
また同じように迷惑系の何かだろうと思い、早く返却するため、エンターキーを押してチラッと液晶画面を覗いた。
「Until we meet someday. I love you,Misako」
美紗子は心臓を鷲掴みされたような胸の苦しさで顔が歪んだ。
まさかと一瞬の期待を抱き、振り返った。
ロビーフロアをあちこちを見渡したが、翔太の姿はどこにも見つからなかった。
美紗子の様子にホテルスタッフがカタコトの日本語で「大丈夫?」と心配そうに声をかける。
「Sorry, it's okay」
美紗子は滲む涙を拭い、深く息を吸って吐いた。
「Me too」
返信をして画面をOFFにし、返さなければならない悔しさと闘いながら美紗子は携帯電話を返却した。

