カイルアからアラモアナへバスで戻り、宿泊先のホテルへ急ぐ。
アラモアナ地区にそびえ立つホテルの一室が、ハワイにある時間旅行専用の部屋になり、選択の余地はなく、そこ一択となる。
フロントにいた日本人コンシェルジュへ携帯電話の貸出を問い合わせた。
美紗子の滞在期間なら無料で貸出可能とわかり、すぐさま手続をした。
翔太との別れ際、携帯番号を書いたメモを渡された。
美紗子は泊まるホテル名を告げ、もし翔太のスケジュールに変更が出たらホテルに伝言か連絡をするということになった。
現世では、携帯電話なしの生活などありえないほどに人々の生活の一部となっている。
一人旅だし、事前の申込みオプションで携帯電話は必要ないと申し込まなかった。
まさかの展開となり、翔太からのあり得ない貴重なお誘いなのに、こちらの間違いなど絶対にあってはいけない。
何かあった時に携帯はやはりあった方が安心だ。
直接電話をかけるのは緊張もするし、翔太は仕事中かもしれないと、ショートメッセージで番号を知らせることにした。
「I'm MISAKO.Thank you for earlier.」
「This number is for my stay.」
美紗子が借りた携帯電話は、小さな画面に3行しか表示できず、文字数も決まっているから、2回に分けてメッセージを送らねばならない。
懐かしくも若干苛つく機能の少なさに加えて、当然だがここは海外だから日本語ではない。
英文というさらなる難題がのしかかる。
直接電話をしてしまおうか迷ったが、翔太都合でメッセージを見ることができる方がいいに決まっている。
先程の日本人コンシェルジュに再度教わりながら、拙い短文を送信した。
信じられない人を相手にすると、自分はとんでもなく行動力のある人間になれる。
やればできるじゃない。莉子が見たらきっと驚いてそう言うだろう。
美紗子が泊まる部屋の窓から見える海はマジックアワーを過ぎて紺青色に包まれ始めた空で覆われ、街の明かりがちらほらと目立ち始めていた。
あっという間の1日目だったな…
翔太に会えてからずっと、信じられないという気持ちしか出てこず、未だに信じられないままだ。
そもそも20年前のハワイにいること自体が信じられないことなのだから、何もかも信じられなくて当然なのか。
驚きと緊張の連続だったせいか一気に疲れが全身にまわり、深い眠りに包まれた。
ふと目覚め、倒れ込むようにベッドで寝てしまったことに気づいて茫然とした。
窓の外は日の出のマジックアワーを迎え、金色を散りばめたようなオレンジを徐々に発して、空は光に包まれている。
その空を映す窓に向かって腕と腰を軽く回し、シャワーを浴びて、ミネラルウォーターを飲む。爽やかな朝だ。
昨日借りた携帯電話の点滅に気づき、画面オンを押すと、翔太からの返信メッセージがある。
「Goodmorning、misako」
「At 5pm in the hotel lobby」
この画面を写真に撮って残せないことが悔しい。
スマートフォンは、出発前の持物検査の時に用意されていた個人ロッカーへ預けてきた。
行く時代に存在しないものは持ち込み禁止なのだ。
付き合いたてのカップルのようなメッセージのやりとりをしばらく眺めたあと、
「Goodmorning、shota.」
「OK!」
乙女気分を味わいながら送信した。
美紗子は鼻歌まじりに出かける準備をし、朝食に出かけた。
サイミンが食べたかった。
滞在2日目は、ノースショアへ。
バスに乗り、波乗りの聖地と言われる海岸を少し散歩しながら、小さなショッピングモールへ向かう。
確か、ショッピングモールは近年大きく拡がってリニューアルしたと聞いた。
これから行くモールはまだリニューアル前で入っている店舗も少ない。あっという間に全店舗見終わるだろう。
行ってみたかったTシャツ専門店で、ラインストーンで出来たパイナップルが左胸に付けられた可愛いTシャツと、ハイビスカスがバックプリントされたTシャツを2枚購入した。
そして八重子や由希達、和也にもTシャツを買った。
コアウッドを使ったトロピカルな商品がたくさんある雑貨屋は、魅力的なものばかりで見るだけで楽しい。
莉子のお土産にウッドボックスを買い、なんとなく手にしたハイビスカス形の焼き印が刻まれたサーフボードのキーホルダーと、同じ柄で作られた小さなトレーを買った。
過去の世界で買えるものは限られる。食品は買って帰ることが出来ない。
遡った年数分、現世に戻った時急速劣化するのだ。
服やアクセサリー、カバン雑貨的なものなら大丈夫だが、ここで新品を買っても現世に戻ったら色褪せや黒ずみなどの古品になってしまう。
年季が入って味が出ると言われる革製品やブランド物ならいいかもしれない。
莉子に買ったウッドボックスもどの程度劣化するのか不安が残ったが、プルメリアの花が彫られた素敵なデザインのそれを選んだ。
その雑貨屋の隣にパール専門店があった。
店内には意外と人が多く、特に年配の方や母娘らしき女性がショッピングを楽しんでいる。
パールをあてがい、鏡を見ながらチェックする母娘がいた。
その母娘に自分と莉子を重ねる。
莉子も二十歳を過ぎた大人の女性だ。
気軽なイミテーションもいいが、ひとつくらいちゃんとした本物を持たせてあげてもいいかもしれない。
大きな一粒もののネックレスを選んで買った。
チェーンが黒ずんでしまうかもしれないが、こまめに研くように莉子に言おう。
買い物を済ませ、お昼は昨日翔太が食べていたガーリックシュリンプにした。
翔太は殻を剥いていたが、美紗子は1つそのまま丸ごといってみた。美味しい。
でも、口の中を怪我しそうだと感じて、あとは翔太と同じく殻を剥き、指についたソースをこっそり舐めた。
これから早めにホテルに戻って、17時までに準備を完璧にしなきゃ。
急いでガーリックシュリンプを食べ、アラモアナに戻るバスへ乗り込んだ。
アラモアナ地区にそびえ立つホテルの一室が、ハワイにある時間旅行専用の部屋になり、選択の余地はなく、そこ一択となる。
フロントにいた日本人コンシェルジュへ携帯電話の貸出を問い合わせた。
美紗子の滞在期間なら無料で貸出可能とわかり、すぐさま手続をした。
翔太との別れ際、携帯番号を書いたメモを渡された。
美紗子は泊まるホテル名を告げ、もし翔太のスケジュールに変更が出たらホテルに伝言か連絡をするということになった。
現世では、携帯電話なしの生活などありえないほどに人々の生活の一部となっている。
一人旅だし、事前の申込みオプションで携帯電話は必要ないと申し込まなかった。
まさかの展開となり、翔太からのあり得ない貴重なお誘いなのに、こちらの間違いなど絶対にあってはいけない。
何かあった時に携帯はやはりあった方が安心だ。
直接電話をかけるのは緊張もするし、翔太は仕事中かもしれないと、ショートメッセージで番号を知らせることにした。
「I'm MISAKO.Thank you for earlier.」
「This number is for my stay.」
美紗子が借りた携帯電話は、小さな画面に3行しか表示できず、文字数も決まっているから、2回に分けてメッセージを送らねばならない。
懐かしくも若干苛つく機能の少なさに加えて、当然だがここは海外だから日本語ではない。
英文というさらなる難題がのしかかる。
直接電話をしてしまおうか迷ったが、翔太都合でメッセージを見ることができる方がいいに決まっている。
先程の日本人コンシェルジュに再度教わりながら、拙い短文を送信した。
信じられない人を相手にすると、自分はとんでもなく行動力のある人間になれる。
やればできるじゃない。莉子が見たらきっと驚いてそう言うだろう。
美紗子が泊まる部屋の窓から見える海はマジックアワーを過ぎて紺青色に包まれ始めた空で覆われ、街の明かりがちらほらと目立ち始めていた。
あっという間の1日目だったな…
翔太に会えてからずっと、信じられないという気持ちしか出てこず、未だに信じられないままだ。
そもそも20年前のハワイにいること自体が信じられないことなのだから、何もかも信じられなくて当然なのか。
驚きと緊張の連続だったせいか一気に疲れが全身にまわり、深い眠りに包まれた。
ふと目覚め、倒れ込むようにベッドで寝てしまったことに気づいて茫然とした。
窓の外は日の出のマジックアワーを迎え、金色を散りばめたようなオレンジを徐々に発して、空は光に包まれている。
その空を映す窓に向かって腕と腰を軽く回し、シャワーを浴びて、ミネラルウォーターを飲む。爽やかな朝だ。
昨日借りた携帯電話の点滅に気づき、画面オンを押すと、翔太からの返信メッセージがある。
「Goodmorning、misako」
「At 5pm in the hotel lobby」
この画面を写真に撮って残せないことが悔しい。
スマートフォンは、出発前の持物検査の時に用意されていた個人ロッカーへ預けてきた。
行く時代に存在しないものは持ち込み禁止なのだ。
付き合いたてのカップルのようなメッセージのやりとりをしばらく眺めたあと、
「Goodmorning、shota.」
「OK!」
乙女気分を味わいながら送信した。
美紗子は鼻歌まじりに出かける準備をし、朝食に出かけた。
サイミンが食べたかった。
滞在2日目は、ノースショアへ。
バスに乗り、波乗りの聖地と言われる海岸を少し散歩しながら、小さなショッピングモールへ向かう。
確か、ショッピングモールは近年大きく拡がってリニューアルしたと聞いた。
これから行くモールはまだリニューアル前で入っている店舗も少ない。あっという間に全店舗見終わるだろう。
行ってみたかったTシャツ専門店で、ラインストーンで出来たパイナップルが左胸に付けられた可愛いTシャツと、ハイビスカスがバックプリントされたTシャツを2枚購入した。
そして八重子や由希達、和也にもTシャツを買った。
コアウッドを使ったトロピカルな商品がたくさんある雑貨屋は、魅力的なものばかりで見るだけで楽しい。
莉子のお土産にウッドボックスを買い、なんとなく手にしたハイビスカス形の焼き印が刻まれたサーフボードのキーホルダーと、同じ柄で作られた小さなトレーを買った。
過去の世界で買えるものは限られる。食品は買って帰ることが出来ない。
遡った年数分、現世に戻った時急速劣化するのだ。
服やアクセサリー、カバン雑貨的なものなら大丈夫だが、ここで新品を買っても現世に戻ったら色褪せや黒ずみなどの古品になってしまう。
年季が入って味が出ると言われる革製品やブランド物ならいいかもしれない。
莉子に買ったウッドボックスもどの程度劣化するのか不安が残ったが、プルメリアの花が彫られた素敵なデザインのそれを選んだ。
その雑貨屋の隣にパール専門店があった。
店内には意外と人が多く、特に年配の方や母娘らしき女性がショッピングを楽しんでいる。
パールをあてがい、鏡を見ながらチェックする母娘がいた。
その母娘に自分と莉子を重ねる。
莉子も二十歳を過ぎた大人の女性だ。
気軽なイミテーションもいいが、ひとつくらいちゃんとした本物を持たせてあげてもいいかもしれない。
大きな一粒もののネックレスを選んで買った。
チェーンが黒ずんでしまうかもしれないが、こまめに研くように莉子に言おう。
買い物を済ませ、お昼は昨日翔太が食べていたガーリックシュリンプにした。
翔太は殻を剥いていたが、美紗子は1つそのまま丸ごといってみた。美味しい。
でも、口の中を怪我しそうだと感じて、あとは翔太と同じく殻を剥き、指についたソースをこっそり舐めた。
これから早めにホテルに戻って、17時までに準備を完璧にしなきゃ。
急いでガーリックシュリンプを食べ、アラモアナに戻るバスへ乗り込んだ。

