CLOVER

「あ…いえ、綺麗な部屋だなと思って…」

私は正面を向き直しそう口にすれば
高坂君は目の前のテーブルに飲み物を置きながら
私の横に座った。


「ここは元々留依の実家をCROVER の拠点として使ってるからね。あんまり不良の倉庫って感じがしないでしょ？」


高坂君はクスクス笑いながらそう言うと
「あ、留依っていうのは今のCROVER の総長ね。
もうすぐ帰ってくると思うから、優花の事ちゃんと紹介したい」と説明してくれた。


「でも…本当に私はここにいても大丈夫ですか？
皆さん気を遣われるんじゃ…」


「留依もしょっちゅう彼女を連れて来てるから大丈夫だよ。それにメンバーもそれぞれ部屋があるし、何か集まって話す時以外は基本的に皆部屋にいるからね」


高坂君の言葉に
「じゃあ、ここには高坂君の部屋もあるんですね」
と何となく口にすれば

「…うん。でも部屋は今度見せるね。
2人きりで部屋に行くと…やっぱり意識するし」

…と少し恥ずかしそうに言われ、
「…え？あ、」と私も変に動揺してしまった。