「あ、甘え下手…?」

「そうそう。蒼は昔からしっかり者だったからね。
たまには女の子と遊んで息抜きすればって言っても
全然興味なさそうだったし?
だから優花ちゃんをいきなりここに連れてきてびっくりしたわ」


「優花ちゃん、蒼の事よろしくね」と言われ…
何となく嬉しいような恥ずかしいような気持ちになっていれば


「…凪、余計な事言わなくていいから。
それより留依(るい)は?」


高坂君も冷やかされるのが恥ずかしくなったのか
声を出した。


「留依は外に出てる。
そろそろ帰ってくると思うから待ってたらいいよ。
俺もちょっと出てくるから、それまで2人でごゆっくりね?」


川口さんは「じゃ、優花ちゃんまたね」と微笑みながら私の横を通り過ぎると、先程私達が入ってきた入り口の扉を開け去って行った。