「…あ、ありがとうございます」

私はその言葉に照れながら
何となく髪を耳に掛けていれば

「…今日は髪下ろしてるんだね。可愛い」

高坂君はそう言うと
私の髪に向かって手を出して、
首の後ろ辺りの髪を優しく撫でるように触れてきた。


「え、あ…あのっ、」


触れられる事にまだ慣れていない私は、凄く恥ずかしくなり、思わず何歩か後ろに下がってしまった。

すると自然と高坂君の手は離れ

「あ、ごめん!急に触って…嫌だったよね?」

そう言って焦ったように謝られた。


私は「あ、嫌とかじゃなくて!」と咄嗟に声を出し
「恥ずかしくて…ごめんなさい」とうつ向きながら
小声で伝えた。