何となくぼんやりとしながら
待ち合わせ場所まで歩いていれば


「優花」


私を呼ぶ声が前方から聞こえ
その声の方向を見れば


「え、高坂君…?」


まだ待ち合わせ場所ではないのに、
そこには高坂君がいて…。


「どうしてここに…。
まだ待ち合わせ場所じゃないのに…」


私が傍に駆け寄りながら言えば

「優花はいつも学校からいつもの土手にくるからさ。ここ通るんじゃないかと思って」

高坂君はそう言っていつものように柔らかく微笑むと


「早く優花に会いたかったし…」

また甘い言葉を掛けてくれた。