「あ…うん。ちょっとね…」

「そう…もしかして、彼氏?」

するとお母さんは私の格好をマジマジ見ながら
なぜか分かったように言い当てた。


「え?な、何で分かったの…?」

「いや…何かいつもより可愛いなって思って。
綾菜ちゃんと出掛ける時はいつもパンツスタイルだし、髪もくくってるから」


「…おかしいかな?」


私は自分の格好に自信が持てず、
お母さんに小さな声で聞けば


「…いや、凄く可愛いわよ。ただ…安心したの」

お母さんは口を開き

「…お父さんの事があってから、優花はあまり自分の事を話せなくなってたから。高校に上がって、友達も出来て彼氏も出来たんだったら少し…安心したの」

どこか切なそうに笑っていた。