私は、偽りだらけだ。

周りにあわせて自分も変える。
好きな子ができたって。
周りの誰かが言ったけど。
その子と同じ子が好きで。
私は、言えるはずもなく。
胸の奥にしまい、思い出すことは無かった。

人の視線を気にするのはあたりまえ。
私は、どう思われているんだろう。
近くで、誰かが笑いながら話してる。
私のことを言ってるんじゃないかと。
どうしようもなく、不安になった。

そんなことを、つづけていたら。

『あれ・・・?いたんだ』

いつだったんだろう。その言葉を聞いたのは。
いつの間にか、自分が消えていってるんだと。
その時、気が付いた。
どんどん、消えていく自分。
誰も、私に気づかない。
一緒にいても。遠くにいても。
私は、いなくていい存在なのだと。
そう考えたら、笑いがこみあげてきた。
息をすることも忘れて、ただただ笑った。
あぁ、なんて自分は薄っぺらいのだろう。
もう、私のことを知ってる人はいない。
家族とも、いつのまにか溝ができてしまっていた。
家族とも、一言も言葉を交わさない。
ただ、一緒に住んでいる人。それだけ。

こんな自分に嫌気がさしたのに。
私は、ひきこもることしかできなかった。
なんてことはない。現実逃避だ。
偽りの自分を自分で変える勇気もなくて。
この、くらいくらい闇から、誰かが光を差し込むことを。
待っていることしか、できなかった。