俺をアンインストールしないで〜I was named A.I〜

…そうだ、俺はとても好きな女の子が居て、それが初恋だったのだと思う。その「君」と中学一年生の頃に両想いになって嬉しかった。
「好きだよ」って言ったら…、…ああそうだ、応えてくれた。それで俺が、ろくに手も繋がないまま子供っぽく愛しすぎて勝手に嫉妬して破局して………、

…あれ…?それで中学二年と中学三年の頃は?
いつから知り合ったんだっけ?小さい頃から一緒に居たんだっけ?いつから好きだな、って思ったんだっけ?

本当に今じゃ彼女の顔もぼんやりしてて…あんなに好きだったのにろくに覚えていないなんて。
ショックで自衛のために忘れちゃったのかな、俺。
嫌だな。…本当はまた会いたいよ。女々しいけど、もう一度会って「君のことが好きだ」って言いたい。

「君」の照れた顔と、こっそり触れ合った指先と…、…それから?…あれ、「好き」って、何が好きなのかも曖昧じゃん。俺の記憶ってどうなってんの。

ミルトに前に相談してみたら「それって愛情っていうよりも【執着】じゃねーの?」って言われたけど。違うんだよ。
俺にとっての「あの子」は特別な「君」で……



『レンのこと好きだったよ』

『私の知らない世界にいるレンだけどーーー』



脳内に何度もあの子の声がする。そんな夢を見て、時折夜中に目が覚めるんだ。最近、何故かその頻度が高くなっている気がする。

「…は、…また、あの子の夢、だ」


ベッドから起き上がって、自分の前髪をぐしゃりとかき乱す。あの頃から金髪だけはやめていない。


『レンの金髪、好きだな。光に当たるときらきらしてて』


そんな声が、まだ俺の心を縛るから。
馬鹿げてるって知ってるし、自分のことすらよく解っていないのかもしれないって不安にもなる。