『あぁ覚えてるよ…』
俺がそう答えると鈴村は嬉しそうに微笑んだ…
『離ればなれになったのは6歳の時で再会したのは18歳の時だった…よな?』
「そう…そしてその再会は最初で最後だった…」
6歳の時は疎開のため
離ればなれになった…
18歳になった俺は国からの命令で特攻隊として
戦わなければならなかった…
国のために…
我ながら18歳まで生きてたことに驚いていた…
そして
故郷に久々に帰ったときに鈴村と…
正式には美奈子ちゃんと再会したんだ…
確かに変わっていたけど
すぐに分かった…
まだ微かな面影は残っていたから…
美奈子ちゃんも俺だってすぐに分かった…
それから色々話して
たった一度きりの
最初で最後の再会で
俺たちはお互いに惹かれていった…
そして
たくさんの人が死にゆく中俺たちは約束を交わした…
誓いのようなものだった…
お互いに分かっていた
もう死ぬだろうと…
だからどうせ死ぬのなら
一緒に死にたかった


