記憶の中で恋をしていた



大学復帰した紫桜。

星出とばかり楽しそうに過ごしている。

授業が被るため接点をもった俺たちなのに、俺には授業内容を聞いてくれることはなかった。

このまま、星出の元に行ってしまうのではないか。

そう思うと、変な汗をかいてしまう。


紫桜が星出と過ごすことで、別れたと思われているのか、女子に話しかけられることが増えてしまった。


「ごめん、俺別に紫桜と別れたわけじゃ…」

「え?村上さん、別れたいって言ってたよ?」

「え?」


衝撃的なことを言われた。

紫桜がそんなことを?


帰宅後、紫桜を問い質した。


「紫桜、ねえ…別れたいってどういうこと?」

「そのままの意味です」

「いや、俺ら別に喧嘩したとかそういうわけじゃないじゃん」

「私出て行くので」

「え、いや、何で…」

「もういいですか?寝たいので」


記憶を失って帰ってきてから、ずっとソファで寝ている。

もうそれ以上何も言えなかった。