溺愛する身代わり姫を帝国王子は、逃さない。

 第6話


  思わず瞳を閉じた私がどうしても身動き取れないまま、レイカルド様は下唇に舌を這わせる。

 上唇を舐めあげ、下唇を口に含み、上下唇をたっぷりとしゃぶる。

 そうやって存分に唇を味わったあと、するりと歯列を割ってきた。

 そのまま舌先を侵入させたレイカルド様は、そのまま押し込めてきた。

「んくうっ……」

 それに気づいて、私は低く呻く。

 自分の立場を知ってしまった以上、私は以前のように、それに噛つくことが容易にできずにいた。

 それでも、どうにか歯を食いしばったつもりなのに、レイカルド様の舌が私のなかへやすやすと忍び込んできた。

 そのことに、私はぶるりと大きく身体を震わせる。

 レイカルド様の熱い舌先は、私の口腔でぬるりとした感触とともに粘膜を這った。

「……んんっ」

 思うように、空気が吸えなかった。

 私は、それがとても息が苦しくて、必死に堪えている。

 私を尻目に、レイカルド様は角度を変えて、狂おしいほどに唇を重ね合わせてくる。

 擦り付けるような唇の感触。

 私は、淫靡な感触に惑わされて、ぐったりと身体の力が抜け落ちてしまった。

 小さな胸の奥は、とても甘く疼きはじめていた。

 私は、濃厚で甘美な感触に深く酔っていた。

 深い眩暈を感じながら、どうしても身動きできずにいた。