「遼花…ってあの!?」
「ああ」
聞いてないってーーーー!?お父さんたち、多分知ってたよね!?いや知ってなかったんなら仕方がないけど…知ってたなら言っておいてよ!!びっくりするでしょ!?はーー、ほんと心臓に悪い…。私、おばあちゃんなんだからそんな驚かされると心臓止まるよ!?
「遼花は知ってたんだな、俺のことは知らなかったくせに?」
「まぁ、うん…。で、要件はなんだったっけ?」
もう忘れちゃった。記憶力がミジンコほどもないもので。
「お前の名前。さっさと教えろ」
「…なんで俺の名前にそんなこだわってるの?」
一人称をなににするか迷った結果、俺にすることにした。なかなかいいのでは?
というか、本当になんで名前にこだわってるの?そんな気になる?よくわかんないや。
「それについては俺から説明するわ…。こいつ、情報は少しでも多く把握しておきたいタイプで、少しでも自分が知らない情報があるとすぐ知ろうとするんだわ。お前は今日編入だろ?だからお前の情報はこいつがなんにも把握してない。だからお前のことを知ろうとするってこと。」
「ふーん。なるほどね…。合ってるの、黒髪くん?」
「夜と呼べ。…腹立たしいくらいに合ってる。なぜそこまで俺の性格を知ってる?答えろ。」
夜って呼べって言われたところで…名前、覚えられるかなぁ。それが不安で、名前を聞いた後も黒髪くんって呼んでたんだけど…。
…まぁ、覚えられるように努力しよう。多分、こういう性格の奴は怒らせたらめんどくさいから。
―――いや、名前を覚えてないくらいじゃ怒られないか。夜にとっては、私なんて有象無象の一部なんだろうし。
「俺は学園長でもあり、この竜ヶ崎学園の理事長でもあるからな。生徒のことくらい、知ってて当たり前だろ?というか黒雨、もうすぐホームルームだ。お前は早く教室に行け!!」
達磨がそういうと、夜はめんどくさそうに舌打ちをして、渋々学園長室から出て行った。
うん、足音からすると…ここからちゃんと離れて行ってるから、教室に行ったのかな。えらい!
それにしても、あー…理事長と学園長が同じだから話が順調だったっぽいのか…。両方に話を通さなくていい分、話が進むのは早いだろうからね。
―――あ、やべ。また名前教えるの忘れてた。あの子、質問ばかりしてくるから話がどんどん流れていっちゃうんだよなぁ。
今度からは話の流れについていかないと…。はぁ、若者ってよくわからん。
「―――で、編入だっけ?俺はどのクラスに行けばいいの?」
「一年S組。そこに入れるのは頭脳明晰、容姿端麗、運動神経がいいやつ、家柄がいいやつ。ほかの生徒より特出している生徒がS組に入れる。後は…暴走族に入ってる奴。そいつらを隔離したほうがいいと思ってな。だから暴走族に入ってるやつもS組に入れてる」
「なるほど…あれ、その中だと俺はなにに入るの?やっぱり頭脳明晰?」
ふふん、頭のよさには自信があるからね。なにせフォノーヴァでは難しい研究をして、論文を書いて発表して…それで得た報奨金で生活してたから。他の人よりはちょっとばかし頭がいい―――そう自負しているよ。
「ああ、そうだ。容姿端麗とも迷ったんだが…兎環さんがお前にどんな格好をさせてくるのかわからなかったからな。久しぶりにメッセージが来たと思ったら『今度うちの娘そっちに編入させて!どんな格好で行かせるかは…楽しみにしてて!』だってよ…。俺、いいとも言ってないのに勝手に話進めるんだわ…。だいたい『楽しみにしてて』って兎環さんが言ったらろくなことが起こらないんだよ」
「それは…うん。お母さんが迷惑かけたみたいだね。ごめん。達磨はここに編入させる気はなかったんだ?」
だとしたら迷惑かけちゃったな。今からお父さんに連絡して退学の手続きでもしてもらうか…。
「いいや、そんなことはない。近々うちの学園に来ないかって誘ってみるつもりだった。まぁ、そうでなかったとしても兎環さんの頼みなら大体は聞くし。」
「なら迷惑はかかってないみたいでよかった。」
そういうと達磨は孫でも見るような優しい目で私を見てくる。もう、なに!?立場逆転してるでしょ!!私からしてみれば、達磨こそ優しい目で見守るべき存在で、孫のような存在でもあるのに…。なんで私が孫みたいに見られてるの!?
「そういえば、他の暴走族はいるの?―――ま、もちろんいるわけないよね…」
「いや、いるぞ。たしか…全国No.2の炎柳だったっけな。はぁ、なんでうちに全国トップの組二つがいるんだか…。しかも同時期に…。普通、あんま被んないだろ、学校と年齢は…。」
そういうと達磨は頭を抱えた。わぉ…大変そうだね、可哀そうに。おばあちゃんからの励ましの気持ちとして、胃薬とこの前買った飴ちゃんあげる。
『空間魔法』で作っていろいろ詰め込んでいた空間から胃薬と飴を取り出す。空間魔法で作った空間の中では時間の概念がないから、どんな時も入れたときの形を保持する。時間が進まないからね。
―――少しして。達磨が田中先生という人を呼んだ。どうやら田中先生が一年S組の担任のようだ。
「君が編入生の終夜璃瑠くんだな?よろしく。俺は田中碧唯。これからよろしくな!」
「よろしくお願いします、田中先生。」
といったやり取りを経て、一年S組の教室についた。…防音仕様になってるみたいだね。声が少ししか聞こえない。千里眼で見た限りだと、みんな結構大きな声で話してるのに。
すると田中先生が手を叩いて、みんなを静かにした後、私に合図を送った。
「今日は編入生が来ている!歓迎するように!」
そういうとみんなはザワザワと騒ぎはじめる。わかるよ、編入生がどんな子なのか気になるからね。
どうやらイケメン?いや美少女!?だとか、性別についての話をしているようだ。緊張してきた…。
「では編入生!入ってきてくれ!」
「ああ」
聞いてないってーーーー!?お父さんたち、多分知ってたよね!?いや知ってなかったんなら仕方がないけど…知ってたなら言っておいてよ!!びっくりするでしょ!?はーー、ほんと心臓に悪い…。私、おばあちゃんなんだからそんな驚かされると心臓止まるよ!?
「遼花は知ってたんだな、俺のことは知らなかったくせに?」
「まぁ、うん…。で、要件はなんだったっけ?」
もう忘れちゃった。記憶力がミジンコほどもないもので。
「お前の名前。さっさと教えろ」
「…なんで俺の名前にそんなこだわってるの?」
一人称をなににするか迷った結果、俺にすることにした。なかなかいいのでは?
というか、本当になんで名前にこだわってるの?そんな気になる?よくわかんないや。
「それについては俺から説明するわ…。こいつ、情報は少しでも多く把握しておきたいタイプで、少しでも自分が知らない情報があるとすぐ知ろうとするんだわ。お前は今日編入だろ?だからお前の情報はこいつがなんにも把握してない。だからお前のことを知ろうとするってこと。」
「ふーん。なるほどね…。合ってるの、黒髪くん?」
「夜と呼べ。…腹立たしいくらいに合ってる。なぜそこまで俺の性格を知ってる?答えろ。」
夜って呼べって言われたところで…名前、覚えられるかなぁ。それが不安で、名前を聞いた後も黒髪くんって呼んでたんだけど…。
…まぁ、覚えられるように努力しよう。多分、こういう性格の奴は怒らせたらめんどくさいから。
―――いや、名前を覚えてないくらいじゃ怒られないか。夜にとっては、私なんて有象無象の一部なんだろうし。
「俺は学園長でもあり、この竜ヶ崎学園の理事長でもあるからな。生徒のことくらい、知ってて当たり前だろ?というか黒雨、もうすぐホームルームだ。お前は早く教室に行け!!」
達磨がそういうと、夜はめんどくさそうに舌打ちをして、渋々学園長室から出て行った。
うん、足音からすると…ここからちゃんと離れて行ってるから、教室に行ったのかな。えらい!
それにしても、あー…理事長と学園長が同じだから話が順調だったっぽいのか…。両方に話を通さなくていい分、話が進むのは早いだろうからね。
―――あ、やべ。また名前教えるの忘れてた。あの子、質問ばかりしてくるから話がどんどん流れていっちゃうんだよなぁ。
今度からは話の流れについていかないと…。はぁ、若者ってよくわからん。
「―――で、編入だっけ?俺はどのクラスに行けばいいの?」
「一年S組。そこに入れるのは頭脳明晰、容姿端麗、運動神経がいいやつ、家柄がいいやつ。ほかの生徒より特出している生徒がS組に入れる。後は…暴走族に入ってる奴。そいつらを隔離したほうがいいと思ってな。だから暴走族に入ってるやつもS組に入れてる」
「なるほど…あれ、その中だと俺はなにに入るの?やっぱり頭脳明晰?」
ふふん、頭のよさには自信があるからね。なにせフォノーヴァでは難しい研究をして、論文を書いて発表して…それで得た報奨金で生活してたから。他の人よりはちょっとばかし頭がいい―――そう自負しているよ。
「ああ、そうだ。容姿端麗とも迷ったんだが…兎環さんがお前にどんな格好をさせてくるのかわからなかったからな。久しぶりにメッセージが来たと思ったら『今度うちの娘そっちに編入させて!どんな格好で行かせるかは…楽しみにしてて!』だってよ…。俺、いいとも言ってないのに勝手に話進めるんだわ…。だいたい『楽しみにしてて』って兎環さんが言ったらろくなことが起こらないんだよ」
「それは…うん。お母さんが迷惑かけたみたいだね。ごめん。達磨はここに編入させる気はなかったんだ?」
だとしたら迷惑かけちゃったな。今からお父さんに連絡して退学の手続きでもしてもらうか…。
「いいや、そんなことはない。近々うちの学園に来ないかって誘ってみるつもりだった。まぁ、そうでなかったとしても兎環さんの頼みなら大体は聞くし。」
「なら迷惑はかかってないみたいでよかった。」
そういうと達磨は孫でも見るような優しい目で私を見てくる。もう、なに!?立場逆転してるでしょ!!私からしてみれば、達磨こそ優しい目で見守るべき存在で、孫のような存在でもあるのに…。なんで私が孫みたいに見られてるの!?
「そういえば、他の暴走族はいるの?―――ま、もちろんいるわけないよね…」
「いや、いるぞ。たしか…全国No.2の炎柳だったっけな。はぁ、なんでうちに全国トップの組二つがいるんだか…。しかも同時期に…。普通、あんま被んないだろ、学校と年齢は…。」
そういうと達磨は頭を抱えた。わぉ…大変そうだね、可哀そうに。おばあちゃんからの励ましの気持ちとして、胃薬とこの前買った飴ちゃんあげる。
『空間魔法』で作っていろいろ詰め込んでいた空間から胃薬と飴を取り出す。空間魔法で作った空間の中では時間の概念がないから、どんな時も入れたときの形を保持する。時間が進まないからね。
―――少しして。達磨が田中先生という人を呼んだ。どうやら田中先生が一年S組の担任のようだ。
「君が編入生の終夜璃瑠くんだな?よろしく。俺は田中碧唯。これからよろしくな!」
「よろしくお願いします、田中先生。」
といったやり取りを経て、一年S組の教室についた。…防音仕様になってるみたいだね。声が少ししか聞こえない。千里眼で見た限りだと、みんな結構大きな声で話してるのに。
すると田中先生が手を叩いて、みんなを静かにした後、私に合図を送った。
「今日は編入生が来ている!歓迎するように!」
そういうとみんなはザワザワと騒ぎはじめる。わかるよ、編入生がどんな子なのか気になるからね。
どうやらイケメン?いや美少女!?だとか、性別についての話をしているようだ。緊張してきた…。
「では編入生!入ってきてくれ!」
