水が体に触れる感覚がして目を覚ます。

「ん………星渡り、成功したかな…?」

星渡りとは文字通り、星と星を渡る魔法。月から地球に移動するみたいな…そんな感じの魔法。

どうやら今は雨が降っているようだ。それで起こされたのかな。
傘もないのでしばらくぼーっとしていると――――

「どうしたの、お嬢さん」
「行くところもないし、ぼーっとしているだけだよ」

二人の男女が話しかけてきた。多分、傘も持たずに地面に座り込んでいる、110㎝ほどの幼女が見えたから心配して声をかけてくれたんだろう。もちろん、110㎝ほどの幼女とは私のことだ。
しばらくその男女が話し合っていると、結論が出たのか私のほうに近寄ってきた。

「本当に行くところがないのならば、私たちの家にいらっしゃい。私たちはあなたを歓迎するわ」 

そう言われ、私は彼女らの家に住まわせてもらうことになったのだ―――。