放課後、先生との秘密









先生
「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁびっくりした!!!」



先生は思わず叫びながらびっくりして、尻もちをついてしまった。


あたしはその光景に耐えきれずに吹き出した。
そんな空気感じゃないのにちょっとおもろい


葵
「……っ、ご、ごめんっ」


先生
「い、いきなり開けんな!!ノックくらいしろ」
「心臓止まるかと思ったわ……」


まだ胸を押さえてる先生を横目に、あたしは一歩、図書室の中へ入る。


先生は軽く咳払いをしてから立ち上がった。



先生
「……で」
「なんでお前がここにいんの」



一瞬、間が空いた。




先生
「……レトは?」


その名前が出た瞬間、胸が締め付けられる。
知ってたんだ…付き合ってること…
名前出すってことはそういうことだよね?


葵
「…じゃあそのこともちゃんと話したい」


先生
「何だよ…今更……」


先生はあたしに目を伏せて、空に咲く花火を見上げた。
今にも泣きそうな顔して…


あたしはその横に立って問いかける


葵
「レトくんと付き合ってたの知ってたんだ…」

先生
「後夜祭の時、お前らが手繋いでるとこ見て…俺っほんとどうにかなっちまうかと思ってっさ…」



隣で鼻をすする音が聞こえる。
なんで勝手に泣いてんだよ…




まだ別れたこと言ってやんない




あたしは腕組んでるとこみて、スマホ越しに甘ったるい声聞かされて、避けられて……

あたしと同じように傷つけばいい




先生だって…
その言葉も今日やっと本人に、口に出せるんだ



葵
「そんなこと言ったって先生彼女いるくせに」


今まで心に秘めていた言葉は案外簡単に出せた。
それでも心のモヤモヤは消えることは無い。


けどそうやってムキになってる自分が馬鹿らしい。
こんな時にまで子どもなんだあたしは……



先生
「もしかして夏休みの時の見てた?」


葵
「……はっきりと」


先生
「やっぱり勘違いさせてたんだな……すまんそれ元カノなんよ。好きでもなんでもねぇし付き合ってないよ」




その一言で、頭の中が真っ白になった。
は?元カノのせいでこんなに悩んで、こんなに苦しめられて…なんだったんだ今までの時間は…


悲しいより怒りが湧いてきた。
めっちゃくちゃムカつく。




葵
「普通元カノと腕組むかよ…
元カノを家に連れ込むかよ!
あたしは?
あんたにとって、あたしの存在ってなんだったんだよっ!」



こんなにあたしは先生を思ってきてなんか、バカみたいじゃん



先生
「勘違いさせてごめん…まじでごめんっ!!」
「言い訳に聞こえるかもしんないけど、俺の元カノ結構ネジぶっ飛んでてさ、否定しても無理やり来んの…でも、俺からは何もしてないしもう会うこともないから。お願い信じて欲しい」



先生の手が震えてる



葵
「まじで辛かった…泣いても泣いても止まんないし…遊ばれてたんかなって……本当どうにかなりそうだったんだよっ!」


先生
「本当にごめん…」


葵
「あたしの涙も時間も返してよ!!!」
「女の影チラつかせて、期待させて、突き放してなんなんだよっ!!」


勝手に涙が溢れ出してくる。
泣きたくないのに、今までのことがフラッシュバックして止まらない。


それを見た先生はあたし手を取って抱き締めてくれた。


葵
「やめてっ!!……離してっ!」



先生をの肩を押しても強くて離れてくれない。
この腕の中が1番好きなのに。
今は気に食わない。



先生
「離さねぇよ…こんな俺のせいで泣かせてほってられっかよ」



耳元でそう言われた。

その声があまりにも近くて、あまりにも優しくて大好きで。
責めたいはずなのに、安心してしまいそうになる自分が嫌で、余計に腹が立つ。



葵
「……もう…大っ嫌いっ…」


そんなの嘘だけど
声が震えて、強がりにもならない。



先生
「嫌われて当然だな…ごめん葵」
「これ以上どしたらいいかわかんねぇよ…」



先生の腕の力が、ほんの一瞬だけ弱まった。


あぁもう苦しい。


彼女じゃなかったのに…先生のこと全然許せないんだよ



葵
「あたしの気持ちも何も知らないくせにっ!!」


そんな言葉ばかり浮かんで、結局どうしたいのかもうよく分からない。



"ただ勘違いしてた"だけで終わらせたくなくて。
先生にもちゃんとあたしの気持ちわかって欲しくて。


先生
「…わかってたよ」
「葵が元気ない時も」
「笑ってるのに、不安そうなのも……全部」
「なのに…ごめん……」


分かってたらほっとくなよ!
どれだけ傷ついて
どれだけ苦しんだか…



葵
「……うざっ」


先生
「葵……」



先生の胸を叩いて反抗する。
何やってんだか…


それでも花火はどんどん上がっていく。
もう終わりそうな予感。



あたしが素直に勘違いだど受け入れて、レトくんと別れたって言えれば二人でこの景色も長く見れたのかな…



先生
「…お前が誰と付き合ってようが、俺の事が嫌いだろうが、俺はずっと葵しか無理…… 」

葵
「そんなっ…」



目の奥が熱くなるほどその言葉が嬉しい
先生と同じ気持ちで
胸が張り裂けそうになる。


ずっと欲しかった言葉なのに。
嬉しいはずなのに。

息が、うまく吸えない。



嬉しい。
苦しい。
大好き。


感情が全部いっぺんに押し寄せてきて、追いつかない。



先生
「…葵のこと…相変わず、どうしようもないくらい好きだよ…」


葵
「…せんせっ」




急にこんなのずるいよ。
こんなの反則じゃん。


先生はまた強くあたしを抱きしめた。



この言葉を先生から聞くだけで、もうなんでも良くなってしまう。
この腕の中で溺れていたい。







花火の音が、遠くで大きく響く。
光が一瞬、図書室の窓を照らして、また夜に溶けていった。



先生
「付き合ってる人がいんのにギューすんの…良くねぇか……」



そう言って離れようとした先生の腕を掴んだ。


葵
「やだ…離れないでっ」



指先にぎゅっと力を込める。
離れようとした腕が止まったのがわかって安心した。


息を吸うだけなのに、喉が詰まって声がうまく出ない。
でも、言わなきゃって思った。



葵
「さっき…別れてきたの」


先生
「は…なんで?」

葵
「先生が好きだから」




先生の顔をしっかり見てそう思いを伝えた。
1ヶ月レトくんといてもずっと先生だけを思ってきた。
その気持ちはこれからも変わらない。
先生だけが好きなんだよ。


先生
「ううっ…どこまで俺のこと好きにさせたら気が済んだよ…」


先生の声が鼻声に変わった。
嬉しくて泣いてるんだと思うと幸せな気持ちになった。


葵
「レトくんと付き合ったことで、本当に先生が好きってわかったの。
ずっと先生の隣がいい。
先生じゃなきゃもう嫌なのっ……!!」


本心だった。
ずっと我慢して、押し殺して知らない振りしてたこの気持ち。

私は先生とじゃなきゃ幸せになれないの。




先生はしばらく何も言わなかった。
ただ、あたしを抱き締める腕に、じわっと力がこもる。

震えてるのが伝わってきて、胸がきゅっと締め付けられる。



先生
「俺のとこ…戻ってきてくれてありがとう」



先生の額が、あたしの額に当たる。
近すぎてドキドキして苦しい……



先生
「もう二度と不安にさせねぇから…もう俺から離れてかないで…」


葵
「離れるわけないよ……っ」




先生の呼吸が近い。
同じ速さで、同じ温度で、あたしの中に流れ込んでくる。



先生
「……泣かせてばっかで、ごめんな」
「守るって言葉、今まで軽かったかもしれねぇけど……今度こそ、本気だから」



先生の服を掴む手に、力がこもる。
子どもみたいで、みっともなくて、それでも止められない。


先生
「俺は完璧な大人じゃねぇし、また間違って葵を悲しませるかもしれない」


先生
「でももう誰にも葵を取られたくねぇのよ」


先生
「だから……その……」
「俺と…付き合って欲しい」






その瞬間、世界が止まった気がした。

ずっと欲しかった言葉だった。
想像の中でしか考えたことがなかった。
やばい…嬉しくてなんかおかしくなっちゃいそうだよ。


葵
「嘘っ……!!?」




こんなことが本当に現実で起きていいの?



先生はあたしの手を取って、目を合わせてきた。


先生
「卒業したらとかそんなの…もうどうでもいい」
「付き合ってねぇからこうやって、心の距離ができる気がするし」
「あと…誰にも取られたくねぇの」
「もしバレて職失っても俺は葵と付き合いたい」


そんな覚悟を持って言われたら嘘でも断れるわけないじゃん。



言葉が詰まる。
嬉しくて、嬉しすぎて、胸がいっぱいで。
この先の未来、先生となら幸せになれる気がした。




葵
「もう元カノと会わない?」
「…最後まで責任取ってくれんの?……」


先生
「当たり前だろ」
「俺も葵じゃないと嫌なんだよ」
「葵の嫌がることはしない」
「誤魔化すこと全部もうしないから」



葵
「……ほんとに?」


情けないくらい弱い声が出た。
信じたいのに、信じるのが怖い。
また同じことで泣くのが、嫌だった。


葵
「他の人に目移りなんて…しないでね?」
「何があっても離れない?」

先生
「離れないよずっと葵だけが好きだよ」



そう言われても、試すような言葉ばかり浮かんで苦しい。
なんでこんな考えになっちゃうかな…
目先の幸せがいつか壊れてしまうかもって思ってしまう。


葵
「……あたし、先生を困らせるよ」
「いっぱい不安になるし、嫉妬もするし……」
「泣くし、怒るし……面倒だよ……?」



それでもいいの?
本当にそれでもいいの?
重くないの?
そんな気持ちが、全部そのまま滲み出た。

先生は少しだけ笑って、でも目は真剣で。



先生
「知ってる」
「俺はそういうとこも全部好き」
「不安になるのも、疑うのも、怖がるのも……全部、葵が俺に本気だからしょ?」
「そんなの、面倒だなんて思うわけねぇじゃん」
「尚更可愛いだろ」



先生はあたしの頬に手を伸ばして、親指で涙の跡をなぞった。
その触れ方が、あまりにも優しくて。


先生
「不安になったら、何回でも言えばいい」
「嫉妬しても、泣いても、怒ってもいい」
「そのたびに俺が向き合うから」



こんなにも、大好きな人に愛してもらえて嬉しいよ。
不信感を持ってた自分が嫌になる。
ここまで言ってくれたら早く返事を言わないと。


でもどうやって言葉にしたらいいんだろ。
付き合ってください。は絶対違うじゃん……
あぁどうしよう。

でも作って伝えるよりは、今思ってること口に出す方がいいよね?


葵
「……ありがと先生っ」
「あたしのこと相変わらず訳わかんないくらい好きなんだね」
「あたしも、先生と同じくらい……好きだよ」
「ずっと先生の彼女になりたかったよ。
レトくんと付き合ってでもずっと先生のこと先生だけを考えてた。苦しいくらいもうまじで好きなの」
「だから付き合うの…お願いしますっ!」


一瞬、先生は言葉を失ったみたいに目を見開いたまま固まった。

次の瞬間
堪えてたものが一気に溢れたみたいに、ぐしゃっと顔が崩れる。

先生
「……っ、はぁ……ほんと……」

声が震えて、息を吐くみたいに笑う。

先生
「どんだけ俺の心掴めば気が済むんだよ……」



先生はあたしの肩を引き寄せて、今度はさっきよりもずっと強く抱き締めた。
逃がさないみたいに、腕に力がこもる。





先生
「彼女にしてくれって言われて、こんな嬉しいことあんのかよ……」
「まじで…」
「めちゃくちゃ幸せだわ!!」



大好きな人とやっと付き合えたんだ…
本当に本当に。
やっと叶ったんだ…



先生
「おかえり葵」


その一言が、今まで迷って、遠回りして、泣いて、傷ついて。
それでもここに戻ってきたんだって、やっと実感できた。



葵
「ただいま……っ!」


先生
「葵が俺のこと嫌いになっても離してやんね」


葵
「じゃあ嫌いにならないように幸せにしてね?」


嫌いになんてなれる訳ないけどね。




先生
「一生かけて幸せにする」
「これから先も、ずっとな」




先生
「あぁ!!こんなに必死に好きになったの、初めてだわ」
「葵が相手じゃなきゃ、こんな覚悟できねぇ」

葵
「……責任重大じゃん」


震えた声でそう言うと、先生は小さく笑った。


先生
「望むところだよ」
「何があっても」

その言葉に、また涙が滲む。
でも今度の涙は、苦しいからじゃない。









葵
「ね、先生好き」
「大好きだよっ!!」



先生が頭を撫でてくれる。
あぁっ久しぶりに…やっと、ちゃんと心も体も居場所に戻れた気がした。




先生
「俺の方が好きだっつーの!!」
「いや愛してる」
「まじで幸せすぎる〜!!」




花火の最後の大きな音が夜に響く。
でももう、あたし達に終わりの予感なんてしなかった。


葵
「花火見ずに終わっちゃったね…」

先生
「来年も一緒に見れるだろ?」


未来の約束をできることが、こんなにも嬉しいなんて知らなかった。
先生との未来。
あぁほんと幸せだ…


葵
「ずっと一緒にいてね?」
「ずっと先生彼女にさせてね?」

先生
「当たり前だろって!」
「彼女だけでいいの?」


先生がニヤニヤしながらそう言った。
あたしもさっきより少し顔が熱い。


それってさ……結婚ってこと?


先生
「俺は葵と…したいと思ってるよ?」

葵
「そんなのあたしだって!」

先生
「ムキになっちゃって〜可愛いなぁ」
「んふふとりあえずそれは大人になってからだぞ〜」

葵
「それでも…嬉しすぎて死んじゃいそうだよっ」


先生
「可愛すぎる俺の彼女っ!!」




葵
「ほんとに幸せ……」

先生
「これからもっと幸せにしてやるから覚悟しとけ」
「一緒に思い出作ってこうな?」


葵
「うんっ!」


一生分の幸せを手に入れた気がした。
遠回りして、沢山悩んで、沢山泣いて、傷ついて。
それが無駄じゃなかったんだって思う。
全部ここに繋がるためだったんだって


先生の腕の中は相変わらず落ち着くし、
その心臓の音を聞いてると「現実なんだ」って何度も確かめたくなる。

失うかもしれない怖さより、
これから積み重ねていく時間の方が、ずっと大きくて。

より一層レトくんに背中を押してもらえて感謝することもできた。
色んな経験を経て人間として成長した気がする。


先生
「な、もうちゅーしていい?」
「可愛すぎて無理」


めっちゃ爆弾発言…
正直めっちゃくちゃしたいけど。





葵
「それは卒業まで我慢!!」


じゃないと面白くないでしょ?





先生
「絶対レトとしたくせに……」
「どこまでしたの?付き合って何ヶ月?」
「俺そういうのめっちゃ嫌なんよ…」





そんな簡単に奪わせな…
そんなこと言われた言うしかないじゃん。





葵
「ちゅーまで……しました。」

先生
「ふーん」
「ムカつくんだけど」
「それ初めてだよな?」



先生があたしに嫉妬してる。
だめだ他の人だったら絶対うざいとか思っちゃうのに……なんだか嬉しい
それくらい愛してくれてるんだってわかる。






先生
「上書き…」


先生
「……していい?」

葵
「……うん」





そう言うしか無かった。
そんな悲しそうな顔で言われたら断るなんて出来なかった。

あたしも…したかったから。



先生の手があたしの頬を触る。
目が合って、お互い微笑んで、目閉じた。





先生
「愛してるよ」




その言葉と共に唇が触れた。
柔らかくて、心地いい。
レトくんとしたことなんてもう忘れちゃったみたいで。
それがちょっと嬉しい。


1回だけだと思ってたのに、それから逃がさないとでも言うかのように腰に手を回されて、
何度も何度も確かめるようにキスをした。


なんか…ちゃんと上手くて腹が立つ。




先生
「ああ……えっと…ごめん止まんなかった」




先生が耳と頬を真っ赤にしながらそう言った。
ムカつくくらい可愛いくてもうどうしようと無い。




葵
「も、もう卒業までしちゃだめだからっ!」


先生はちょっと悔しそうに顔をしかめて、でも嬉しそうに笑った。


先生
「わかったよ…まぁ葵がしたいとか言ってきそうだな」




なんでそんなこと言うかな。
そりゃしたいよ。
したいに決まってんじゃん。






先生
「その顔もっと見せて?物足りない?」

葵
「ねぇきもい!」






先生を叩くと「痛ってぇ!」と腕をさすっていた。
これからそんな騒がしい日々がまた続いていくんだろうな。
ほんと幸せだ。



それからあたし達は、手を繋いで帰った。

「浴衣もメイクもお前っぽくなくて嫌だ」から始まって、なんでレトくんと付き合ったのか、元カノと何してたのかお互い問い詰めて喧嘩した。


お互い家族と友達以外の連絡先は消して、仲直りした。

傍から見たら重たいカップルのように見えるけど、あたし達はそれが愛だと認識してる。
それが愛されてるんだと。




先生
「なあ、葵……ずっと、こうして一緒にいような」

葵
「うん……ずっと」



二人の未来は、もう誰にも壊せない。
どんな壁が立ち塞がっても、2人なら乗り越えれる気がした。



家に帰ってから、ナチ達に今までのこと全部話した。
レトくんに怒りを表し、あんたもしっかりしなさい!と言われ、やっとだねと祝福された。



ヒラは家に泊まりに来て、珍しく泣き散らかしていた。
あたしはヒラと縁を切るつもりもないのに、先生と付き合ったらもう遊ぶのも止められると思っていたらしい。

先生がヒラは信用してるからとの約束で
ヒラと遊ぶのは許可して貰えた。
だから遊園地もみんなでこれから沢山行こうねと言ったら抱き着いてきたから殴ってやった。
それは違う。





次の日レトくんは目を腫らして学校に来た





レト
「葵…上手いこといった?」

葵
「レトくんのお陰でねマジでありがとっ!」

レト
「んなら良かった、幸せにしてもらってな!」

葵
「うんありがとう!」





正直笑顔で受け答えしたけど、別れた次の日に隣の席だからめっちゃ気まずい。
しかも一限から先生の授業じゃん……


チャイムがなって先生が入ってきた。



先生
「はーいお前らの担任から席替え頼まれたから、この紙の通りに移動しろ」



黒板に張り出された紙を見るとあたしの席は…………教卓の隣じゃねぇか!!!
ナチとヒラも近いそこはありがたい。
いや教卓の前で嬉しいことなんてあなたの授業の時だけよ?
何考えてる?
寝れないじゃん

しかも、レトくんは後ろの扉の席。
これ、先生が考えただろ。



先生
「今日からお前が寝ないようにしっかり見張るかな!」



そんなこと言ったってあたしとイチャイチャしたいだけじゃんこれ!!


ナチはめっちゃニヤニヤしてるし。
恥ずかしいよ…



心臓がバクバクして、息が詰まる。
授業に集中できる気がしない……!


先生はあたしに微笑んで授業を始めた。

その笑顔を見ているだけで、なんだか安心してしまう。
これから毎日こんなドキドキを感じるのかと思うと、嬉しくて胸がいっぱいになった。