一番星は君ひとりだけ


集中治療室に入れられ、治療を受ける。

俺は待つことしかできない。

いつから策を立ててたのだろうか?

なんで俺はそれに気付かなかったんだろうか?

婚約指輪買ってウキウキしてる場合じゃなかった。


「才菜…どうかお願い…」


祈るしかできない俺は、無力感を覚えた。


「明星さん」

「はい!」


声が裏返った。さっきまで才菜の手当てをしていた先生だ。


「才菜さんは一命を取り留めましたが、意識はありません」

「…会えますか?」

「VIP病室に入っていただくので、大丈夫ですよ」


色々配慮してくれて、VIPにしてくれたようだ。

眠っている才菜の手を握る。

どうしてこうなってしまったのか、俺にも原因があるはずだ。というか…1番近くにいた俺が、分からないでどうするんだよ。

そのまま、俺は横のベッドで1夜過ごした。

翌日。また才菜の手を握っていた。

そこに、1人の来客が来た。見慣れた顔だった。でも知らない人だった。


「マジじゃーん、え、本物じゃん、ウケる!!」


姿形、声は才菜そのものだった。


「どなたですか?」

「え、知らないの?才菜の双子の妹、香菜」