一番星は君ひとりだけ



「才菜がいない家なら、俺だって帰りたくないよ」

「他の女でもいいじゃん!…どうせ私じゃなくたって、いくらでも連れ込めるくせに」


少し腹が立った。なんで熱愛報道の可能性もあるのに、才菜のこと家に呼んだのか。

覚悟があって、その上で大事にしたいって思ったからなのに。


「才菜がいいって思ったからなのに、そんなこと言わないでよ」

「あんな広い家、他に女呼ぶためでしょ!」

「違うって」

「今まで呼んできたんだ、ショップで自分の担当ナンパしてきたんだ!へえ!」

「してない、才菜が初めて」

「いいよもう」

「ほら、帰るよ。手繋いで帰ろ。他の女性連れ込んでないか、証拠集めしよ?」


才菜はやっと立ち上がってくれた。手は繋いでくれなかったけど。
証拠集めやらも、そこまでする気はなかったようで、シャワー浴びてご飯食べて、薬飲んで横になってしまった。

抑うつの症状で、ネガティブに色々考えてしまったのだろうか。早めにベッドに入ったのも、抑うつかな?
今日は労わった方がいいのかな。

洗い物を終わらせて、22時頃寝室に行ってみる。


「才菜ー。ぎゅーしよ?」

「…」


目も合わせてくれない。