背中に回った腕と同時に降ってきた声と、あの香り。



「高峰くん……?」



顔を上げようとしたら、トサッと肩に頭が置かれた。
突然の出来事に石のように固まる。



「あのさ、俺のこととうとう嫌いになったわけ?」

「はい⁉︎」



戸惑っていると急に囁かれた言葉にびっくり。
キライ……?嫌いって、あの嫌い⁉︎



「朝も、瑠亜がいないし。嫌な予感がして瑠亜に話しかけようと思ったら避けられるし。なんなの本当に」

「うっ……」



さらに、不機嫌な声色に私はたじたじ。



「俺なんかした?何かあるなら言って。じゃないと一生このままにする」

「へ……⁉︎ そ、それは困る……」



もう既に困っておりまする……。
色気……?溢れ出るこの何かに押しつぶされます。