「昼飯も好きなとこでいいんだっけ?」

「そーそー!私ここがいいなぁ」

「木陰でお弁当……絵本に出てきそうね」



私たちは、ある大きい木の下にレジャーシートを敷いて荷物を置く。

リュックからお弁当を取り出し。



「「「「せーのっ」」」」



みんなで一斉に蓋を開けると。



「わーっ、涼香の美味しそう!」

「ありがと。瑠亜だって手作りでしょ?」


「えへへ。って待って、秀馬くんのそれ何……⁉︎」

「ん、これ?卵焼きにひき肉が入ってるやつ」


「累のお母様は相変わらず上手よね」

「今日も涼香にって特製おにぎり作ってくれたんだ。あげるよ」



全員の、色とりどりの華やかな食材が顔を出した。

私は待ちきれなくて、パクッとタコさんウィンナーを口に入れる。

うん、やっぱ最高。うまくできてよかった……!



「あはは、花野井は美味しそうに食べるよな」

「でしょ?見てるこっちが面白いの」

「むぐ、そへわふぐひ(それわるぐち)⁉︎」



私はむっとしながら、目に入った秀馬くんのひき肉入り卵焼きをお箸で口に入れた。



「あ、おい、人の奪うなよバカ!」

「わぁ、これおいしい!ね、今度レシピ教えてっ」

「途端にご機嫌かよ……単純バカ……」

「バカって言い過ぎだよばぁか!」

「やってるわねぇ痴話喧嘩」

「そこうるさいっっ!」