ピンポーン。


玄関のチャイムが鳴る。

私はふぅ、と息をつくとドアを押し開けた。
そう、今日はとうとうダブルデート当日っ!!



「瑠亜、忘れ物ない?……って、え」



そこにいた涼香に目を見開かれる。



「……本当にその格好で行くの?」

「へ⁉︎ が、がんばったのにぃ……」



私は思わず姿を見下ろす。
デニム生地の短パンに、七分丈の白いヒラヒラのシャツ。
髪は二つの輪っか三つ編み。キャップもかぶり、日焼け対策も万全だ。



「違う違う、可愛いって意味よ。……これは高峰くんが暴走するわね」

「う?」



高峰くんが……なんて言った?



「んー、せっかくだからもう一つ加えましょ。瑠亜、そこに座ってくれる?」

「ふぇ……?うん」



怪しげな笑みを浮かべた涼香は、お腹が出たグレーのクロップドトップス。
下は白の長いパンツで、足にはサンダル。髪はゆるい三つ編みにしていて、大人っぽい。
わぁ、こういうの少し憧れちゃうな。



「ちょっと目瞑っててね?すぐ終わるから」



麦わら帽子を脱ぎながらそう言われ、私は瞼を下ろす。



「っ……な、何⁉︎ 」

「ほらほら、暴れないの」



かれこれ5分ほど、私は改良されたのであります……。