「はぁぁー、なんで私がこんなことに……」
「仕方ないわよ瑠亜、私も無理やり着せられたんだし」
横には私と同じく、チアの格好をして苦笑いする涼香。
なんと私たちのクラスを応援するためにある女子が用意してきたんだとか。
恥ずかしすぎて死にそう……。
「あ、涼香見つけた」
「!……累」
「行くよ」
「っ……バカ」
ふふっ、ツンデレ涼香。
きっと野柳くんとイチャイチャしに行くんだろうなぁ。
普段クールで冷静だから、涼香のチア姿なんてレアすぎるもんね。
とゆーことで、私は着替えに……
「ねー」
う?
歩き出そうとすると、会ったことも話したこともない男の先輩が行手を阻むように立っていた。
えと……どちらさまで?
両耳には何個もピアスがあって、染められた髪はクルクルと巻かれている。
うわぁ、この人あれだ、不良だ!ヤンキーだ!
タバコ吸ってバイク乗り回してダムダム言う暴走族だ!
思わず後退りする。



