「ふふ、ありがと秀馬くんっ」
「っ……ドジって転ぶなよ」
「そんなことしないもん……!」
前言撤回、やっぱ意地悪だ!
そんな騒がしい中、練習が始まった。
「行くよー、せーの!1、2、1、2……」
先頭の人が声を張り上げる。
それに合わせて走るんだけど、これが難しいんだ。
誰か1人でも足がそろわなかったら後の人が全員ぐちゃぐちゃになるし。
止まる時も、一緒に止まらないとたちまちドミノ倒しに。
だから一瞬も気が抜けない!
私はそう思い、一生懸命秀馬くんの足にそろえていた。
でもそんな時。
──「あっ!」
なんと、私の左足に結んでいた布が解けてしまった。
ひぇっ……、なんでこんな時に⁉︎
思いがけない事態発生。
こう言う場合はすぐに止まらないと、反則になってしまうんだ。
「とっ……止まってくださっ……」
「1、2、1、2!」



