私の後ろには涼香がいて、前になぜか秀馬くんがいる。
「あの〜秀馬くん……」
「ん、何?」
「とっ……届かないよ……」
秀馬くんは、高峰くんよりは小さいものの170cm近くあるから私と20センチも差がある。
前の人の肩を掴まないといけないから、すごく大変。
ていうか身長的にありえないよこの順番!
「あははっ、チビ」
「ばか!」
「まーたやってる」
後ろで涼香が笑うのが聞こえる。
「秀馬たちほんと仲良いよなー」
「きゃっ⁉︎ ちょっと累、私の肩に頭乗せないで!」
涼香の後ろにいる野柳くんの声もする。
わぁ、イチャイチャしてるなぁ。
「仕方ねーな、ここ掴みなよ」
「え……、いいの⁉︎」
「あんま強く引っ張るなよ、チビ」
「うるさいってば!」
言い合いながらも、秀馬くんの体育着の裾をギュッと握る。
うんうん、これなら掴みやすい!
意外と優しいところもあるかも。



