「るーあっ、また高峰くん見てるの?」
「うん……!今日も最高っ」
「まぁそれも分からなくはないけど、やっぱり琳斗は女子に人気だなー」
昇降口へと歩いている彼を見下ろす。
窓から入ってきた風が、私、花野井瑠亜の茶色がかったセミロングの髪をフワフワと揺らした。
毎朝のようにじっと見つめる私に声をかけてきたのは、私の親友、樋泉涼香とその彼氏、野柳累。
高校に入学したばっかりの時に出席番号が前後だった涼香が話しかけてくれて、それをきっかけに気づけば親友になっていた。
少しツンデレだけど大人っぽくて美人な涼香は野柳くんと両思いだったことが分かり、バレンタインから付き合っている。
野柳くんも大人っぽくて背が高く、誰にでも優しいから密かに女子に人気だった。
でも二人ともいわゆる高嶺の花って感じだったから、今ではクラス公認のカップル。
そんな二人と2年生で同じクラスになり、本当に安心した。



