「……っ⁉︎」
ガーン……。
まさか本人から推さないでと言われるなんて。
ショックで思考回路が停止する。
「そんなことできるはずないよ……っ!」
「なんで?」
「なんでって、高峰くんを推すことが私の生き甲斐で」
「じゃあ、別の楽しみ作らない?」
「へ?」
さっきから何を言っているんだろう。
「俺のこと、恋愛対象として見てよ」
「え、」
「そしたら、推しじゃなくなるんでしょ?」
そんな。
私は高峰くんを好きになりたくないのに。
眺めていたいのに。近づきすぎたくないのに。
いずれ別れてしまう恋なんて、絶対したくないのに。
「嫌っ、無理!
私はずっと、高峰くんを推し続けたいの……!」
私はすばやく立ち上がって、屋上から出た。
高峰くんを推すことをやめるなんて、死ぬ方がマシ。
それくらい、夢中になっているのだから……。



