「きゃあっ⁉︎ ……わわっ!」
突然腕を引っ張られ、体勢を崩して高峰くんに覆い被さる形に。
ななな、何事デスカっ⁉︎
これじゃあまるで……
「なーに。襲いにきたの?」
「……っ!」
高峰くんの方に視線を動かすと、クスリと笑っていた。
「おっ、起きてたんですか⁉︎」
「そもそも寝てないしね。
誰か来たなーと思ったら瑠亜の声がしたから」
「ぅえ……あの、離してください」
私の腕を掴んでいる手と腰に回っている手が離れないせいで、身動きが取れない。
「行っちゃうの?寂しいなぁ」
眉を下げて懇願する高峰くん。
犬の耳と尻尾が見えるんですけど……。
「うぅっ……でも、これだとなんか恥ずかしくて」
「それでいいのに。まぁしょうがないから……」
「え?……わっ!」
クルリと反転し。
気づけば私は組まれた高峰くんの足の上にちょこんと座る形になっていた。



