「自覚なかったの?怖すぎるわ」
「それくらい、花野井にとって大きな出来事があったはずなんだ」
「なっ、なんで……?どうしてみんな気付いて、」
「は?」
クスッと笑ったのは秀馬くんだ。
「俺たちの仲、どれくらいだと思ってんだよ」
「瑠亜の変化に気づけないくらいバカじゃないわ」
室内にいるはずなのに、さぁっと横を風が吹き抜けた気がした。
一回瞼を閉じる。
次に開けると……
「あっ」
久しぶりに、世界に色がついていた。
「ふふっ、実は累が一番最初に気付いたのよ」
「……涼香、それは言わなくていいだろ」
「じゃあ瑠亜、俺らに教えてくれるか?」
やばい、話す前から涙が出そう。
私はすぅっと息を吸い、打ち明け始めた──。



