その後はお化け屋敷へ。
私は何度も断ったけれど、結局いつものように高峰くんの押しに負けた。
……なんかね、断れないんですよ……
あの餌をねだる子犬のような顔で迫られると!
「ひぃ……何も見えないっ」
「ん、つかまって」
「あ、ありがと……ひゃぁぁぁぁっ⁉︎ 何……⁉︎」
思わず変な声を上げる。
首元に冷たいものが触れた……!
多分あれは誰かの手……!怖いいいいいいっ
「……あとで瑠亜に触ったやつ全員絞める」
そう呟いた高峰くんに一瞬静まり返った教室。
それから、なぜか私は一回も驚かされることなく出口に着いた。
「よかったぁ……でもなんでだろう」
「俺のおまじないが効いたんじゃない?」
「えっ、なにそれすごい!」
教室の中でお化け役の生徒がほっと息をついていたのは知る由もない。



