歩き始めて数分。
私たちは既に。
「わあ……何あの美形二人」
「あそこだけ花が咲いてる」
「……ねぇ高峰くん、私たち何か言われてない?」
「瑠亜が可愛いってことだよ」
道ゆく人の視線を集める果てに。
いややっぱ覚悟はしていたけどね……。
「瑠亜、一緒にクレープ食べよ」
「わ、やったー!文化祭といえばクレープだもんねっ」
誘われてクレープ屋さんへ。
私はいちご、高峰くんはチョコレートソース。
実はクレープ食べるの初めてなんだよね。
でも、思っていた通りの味!
フワフワしていておいしい……。
「こっちもいる?交換しよ」
「いいの?嬉しい……!」
差し出してきたクレープをパクりと食べ、手に持っていた方を高峰くんの口元へ持って行った。
「……あま」
「え、あ、ごめん……!チョコレートは少し大人の味だね、さすが高峰くん、」
「いや、瑠亜のだからあまい」
「へ?」
意味不明なことを言っていた高峰くんは一旦置いておこう。



