その時、私は何か視線を感じて振り返る。
すると5番テーブルの男子グループがサッと顔を逸らした。
……さっきからずっと視線を感じてるんだよね。
涼香かな?さっき男の人に話しかけられてたし。
東條さんは……あれ、いつの間にか消えてる⁉︎
と思ったら3番テーブルの男子二人組の隣に座って話していた。
もう、ちゃんと仕事してよ〜!
ふぅ、とため息をついて前に向き直る。
また感じ始めた視線をなるべく気にしないようにして。
『瑠亜がメイド服着たらどうなるか分かってんの?』
『俺既に心配なんだけど』
高峰くんと秀馬くんに言われたこと。
後になってから、この言葉の意味を痛感するなんて。
お気楽な私は、考えもしなかった。



