好きな人。 その言葉に、私は悪い予感を感じた。 いや、まさかね。まさか…… 「なんでも、その『好きな人』はあの高峰琳斗だって」 「……!」 なんで。 なんでこんな時に不吉な予感はあたってしまうんだろう。 「いやー、美男美女でお似合いっすよね!」 「あの二人は絵になりますしね」 「って花野井さん、大丈夫ですか?」 二人の声が遠くに聞こえた。 十六夜さん……好きな人……高峰くん。 なんとなく勘づいてはいたけど、本当に……。