「瑠亜」
「わぁ……!やっほー!」
休み時間、廊下を歩いていると高峰くんに呼び止められた。
「D組は文化祭で何やることになったの?」
「んーと、劇」
「劇⁉︎」
「ん。なんだっけ、眠れる森の美女?」
いつもの微笑みを讃えながら彼が言った題名。
私が小さい時に大好きだった物語だ。懐かしいなぁ。
「えー!高峰くんが王子様?」
「……なんで分かんの」
「やっぱり!だって王子様以外ありえないもん」
そう伝えると、「それはどうも」とクスクス笑われた。
「俺、文化祭実行委員なのにね。満場一致で回避策がなくてさ」
「わぁ、それは大変だね……。そういえば、お姫様役の人は誰?」
眠れる森の美女では、王子様とお姫様が必要不可欠。
相手の人は誰なんだろうって、少し気になった。
そして、高峰くんが答えようと口を開きかけた時。



