「報告待ってる」と図書室で引き返していった二人を見送り、そろそろと中へ入る。

見回すと、薄い色素のあの髪はすぐに見つかった。

大きな机の端に座り、本を読んでいる。
傍には塾のものと思われる問題集が置いてあった。

いつもは群がる女子たちだけど、今は邪魔をしたくないのかあまり近くにいない。

ふぅ、と覚悟を決めて後ろから忍び寄り……



「わぁっ」

「っ⁉︎ ……瑠亜か、驚いた」



肩に手を置いて顔を覗き込むと、目を見開いた高峰くんは途端にホッとした顔になった。

ドッキリ成功!

……じゃなくて!