「家庭教師ほしいなぁ……」
「……あ、そうだ!瑠亜、高峰くんに教えてもらったら?」
「え⁉︎」
「あ、いいな、それ」
まさにひらめいた!という顔で提案してくる涼香。
「でも、高峰くん忙しいかもだし……」
「そんなの関係ないと思うよ〜。琳斗、花野井のお願いなら断らないし」
「高峰くんなら教えるのも上手そうよね」
「実際、去年部活の後輩に教えてたし」
私を置いて二人で盛り上がる(?)すずるいカップル。
「となれば善は急げ!今ならまだ琳斗は帰ってないと思うよ」
「さっき図書室行くの見たって女子が言ってたわ」
「え?え〜⁉︎」
あっという間に荷物を持たされ、教室から引っ張り出される私。
どうやら図書室までは付いてきてくれるらしい。
「いい、瑠亜?ちゃんとお願いしてね?」
「そーそ、怖気付いて約束できないとか、なしね」
「ひえっ」
なぜ私よりこの二人が本気なんですか……。



