「そっか、樋泉さんが誕生日なんだ。
通りで累が落ち着きないと思った」
「おい高峰、その手を今すぐ離せ」
案の定不機嫌になる秀馬くん。
私はもはや諦め。
「累、あれ渡した?」
「放課後にサプライズでやろうと思ってる」
「そうだ、野柳くんは涼香に何をあげるの?」
気づけば秀馬くんと話し始めた涼香に聞こえないように近寄り、コソコソと聞く。
「んー、花野井には秘密。知りたかったら明日、涼香から聞いて?」
プレゼントの話をする涼香の表情が見たいから、と付け加えられ、高峰くんに苦笑されていた。
野柳くんと話をする高峰くんは、やっぱり普通の男の子の感じがして。
彼を崇め、拝んでいる私にとっては、中々に新鮮だった。
「おはよー涼香!で、何もらったの?」
「驚かないでよね?……指輪」
「ええええええ⁉︎⁉︎⁉︎」
翌日、真っ赤になりながら報告された涼香に唖然としたのは言うまでもない。



