「……好きだよ、花奈」 「……わたしも」 夕焼けに染まる街を、少しだけ風が走る。 頬に触れるその風の中で、 俺は今、この手を――絶対に離さないって思った。 ──これは、ふたりだけの“初夏の風”。 やっと芽吹いた、恋の輪郭。 静かに、でも確かに――始まっていく。