「……でも、この風、ちょっと肌寒いかも」 「え、またかよ。今日半袖だったじゃん」 「お昼はあったかかったんだもん」 ため息まじりに、自分の薄手のカーディガンを脱いで、そっと花奈の肩にかけた。 「……ありがと。でも、颯磨くんが寒くない?」 「俺は平気。暑がりだから。 それに……おまえが風邪引いたら、俺が損する」 「ふふ、どういう理論?」 「心配になるし、そわそわするし、集中できなくなるし」 「……あは、それ、めっちゃ損だね」 「だろ?」 ふたりして笑ったそのあと、 少しの沈黙。