きみがいた帰り道

夕方、帰り道。

陽が傾きはじめた街に、初夏の風が通り抜ける。

 

「……風、気持ちいいね」


「ちょっと強いくらいだろ。髪ボサボサになってるぞ」


「えっ、うそ……やだ、ちゃんと整えてきたのに」

 

慌てて髪を直す花奈の横で、
俺はふっと笑いながら、ポケットからハンカチを出して手渡した。

 

「ほら、鏡代わりに使え。角度的に見えるだろ」


「……ありがと。っていうか、女子力高い」


「男のポケットにハンカチあるだけで女子扱いかよ」


「そういうとこが抜かりないって意味」

 

そう言って笑った花奈の顔が、

夕陽に照らされて、ちょっと眩しかった。