きみがいた帰り道

「だから、好きって、ちゃんと言えてよかったなって思ってるの。……ありがとうね」

 

そう言って、花奈はそっと、ベンチの上に置かれた俺の手に、自分の手を重ねた。


あたたかい。
でも、少しだけ、震えていた。

 

「……は?」


「ふふ、何その反応〜」


「いや、え、今の……付き合うってことで……?」


「うん。……付き合おっか」

 


その瞬間、夕日が差し込んで、花奈の輪郭を金色に照らした。


その笑顔が、もう、言葉にならないくらい優しくて。