きみがいた帰り道




「俺、たぶんさ……
おまえのこと、好きだと思う」

 



一瞬で、空気が変わった。


風の音が急に遠くなる。


目の端で、花奈の動きが止まったのがわかった。

 


「……っていうか、ずっと前から気づいてたんだけど。
でも、言うタイミングとか、分かんなくて。てか、なんか怖かったし」


思わず口が勝手にしゃべってる。


情けないくらい、情けない言葉しか出てこない。


でも本当の気持ちって、こんなにうまく言えないものなのかって、自分で驚いた。