きみがいた帰り道

駅へと続く道。
交差点の信号が赤になって、足元にふたりの影が並んだ。

 

「……今日、なんか楽しかった」


「“なんか”ってなに」


「うーん、全部……かな」


「それ、言い直しただけだろ」


「でも……一緒にいるの、やっぱり落ち着くなって」


「……俺も、そう思ってる」

 

ゆっくりと信号が青に変わって、ふたりで歩き出す。

まだ、手を繋ぐ距離じゃない。

でも、心の中ではもう、とっくに隣だった。


 

その日吹いた春の風も、

空の色も、

アイスの甘さも。


きっとずっと、忘れない。