きみがいた帰り道

チョコの多い方を、さっと俺に差し出してくる。


「……優しいな」


「颯磨くんには、甘いものが似合うから」


「いやそれ、前にも言ったよな?」


「ふふ、だって本当のことだもん。
ちょっと恥ずかしがるとことか、かわいいよ?」


「……おまえ、まじでずるいわ」


「それ、何回目? 今日はもう3回目くらい?」


「カウントしてんのかよ」


 

なんでもない会話が、

なんでもない時間が、

なんでこんなに、嬉しいんだろう。