きみがいた帰り道

「颯磨ー!」


大学の校門から駆けてきたお前。


スカートのすそをひらひらさせて、息を切らしながら笑ってた。


「今日ね、ゼミの教授がまた変な例えしてさ!『恋愛は鍋のフタ』とか言ってんの!意味わかんなくない?」


とりとめなく続く話を聞きながら、俺たちはいつものようにコンビニに寄って、板チョコのアイスをひとつ。


「割って食べよー?」


あったかい手で、ふたつにパキンと分ける音。


なんかゲームが突然始まって、


「キリン10回言って」


「キリン、キリン、キリン……」


「鼻の長い動物は?」


「…キツネ?」


「なんでw」


「いや、ちょっと油断した」


「ナニソレww」