きみがいた帰り道

それだけの言葉なのに、なぜか心の奥がじんわりした。


「……そっちこそ、意外と負けず嫌いだったな」


「え?」


「今日、めっちゃ真剣に投げてただろ」


「あ……ばれてた?」


 

ふたりして、ふっと笑った。

 

──こういう日々が、

“なんでもない午後”が、

ちゃんと大事になっていくのって、


きっと、こういう瞬間から始まるんだろうな。