きみがいた帰り道

俺はまだ、どこか肩に力が入ってて、
でも──


「颯磨くん、やってみる?」


花奈が、ちょっとだけ照れたような顔でボールを持って近づいてきた。


「……負けないけど」


「え?」


「俺、負けず嫌いだから。そう簡単には負けない」


言いながら、ちょっとだけ口元が緩んだのを自分で気づいた。


花奈は目を丸くしてから、ふわっと笑った。


「そっか。じゃあ私も、負けないね」

 


──なんだろう、この感じ。