きみがいた帰り道


「よしっ、じゃあ午後は青春しよっかー!!」


「青春ってなに!?」


「キャッチボールでしょ、当然!!」


由希がノリノリで立ち上がり、柊と健太が芝生にボールを投げ始める。


「花奈、キャッチ!!」


「えっ、ちょっと待って、今お茶飲んで──わっ!」


花奈があたふたしながらもボールをキャッチして、笑いながら転びそうになった。


「大丈夫!? 怪我してない?」


「あ、うん!大丈夫、ありがとう……」

 

楽しそうな笑い声が響く芝生。


その中で、俺はふと立ち尽くしてた。


……なんか、うらやましいな。


みんな、自然に笑えて。ちゃんと「大学生」してて。