きみがいた帰り道

「ほら、こっちこっち!」


由希が、駅前のパン屋の袋を振ってこっちに手を振ってる。


隣には花奈。ちょっと控えめに笑って、ぺこっと頭を下げてくる。


「遅れてごめん、颯磨くん」


「……いや、全然。俺も今来たとこ」


ベタすぎるセリフを言ってしまった自分に、ちょっとだけ気恥ずかしくなって目を逸らす。

 

「お、名内来たじゃん!」


芝生のベンチでは、柊、健太、森ちゃん……おなじみの面子がすでに集まっていた。

いつの間にかこうして昼に集まって食べるのが、週1の恒例になっていた。


「お前、来るって珍しくない?こういう集まりあんま来ないタイプかと」


「柊、お前それ毎回言ってるからな」


「いや、でもさ~、名内が大学ライフ満喫してるとちょっと嬉しいじゃん?」


「言い方!」